両替をしに行きます
たびたびお世話になる両替に関する会話を学びましょう。お金に関するやり取りですから、数字の聞き間違いなどは避けたいものです。無用なトラブルを招かないためにも、こうした時には筆談を駆使するのも有効です。
A:钱都花了,我没钱了。我要去换钱。
Qián dōu huā le, wǒ méi qián le. Wǒ yào qù huànqián.
お金を全部使っちゃった。両替に行かないと。
B: 听说,饭店里也可以换钱。
Tīngshuō, fàndiànlǐ yě kěyǐ huànqián.
ホテルでも両替できるって聞いたけど。
A:我们去问问吧。
Wǒmen qù wènwen ba.
ちょっと聞きに行ってみましょう。
―ホテルの両替カウンターで―
A:请问,这里能不能换钱?
Qǐngwèn, zhèli néngbùnéng huànqián?
すみません、ここで両替できますか?
C:能。您带的钱是?
Néng. Nín dài de qián shì?
できますよ。お持ちの通貨は?
A:日元。
Rìyuán.
日本円です。
C:换多少?
Huàn duōshao?
いくら両替しますか?
A:一万。一万日元换多少人民币?
Yíwàn. Yíwàn rìyuán huàn duōshao rénmínbì?
1万円です。1万円で何元になるのかしら?
C:七百九十三块二。请您写一下钱数。再写一下名字。
Qībǎi jiǔshí sān kuài èr. Qǐng nín xiě yíxià qiánshù. Zài xiě yíxià míngzi.
793.2元です。金額とお名前を書いていただけますか?
A:这样写,对不对?
Zhèyàng xiě, duì búduì?
これで合ってますか?
C:对。给您钱,请数一数。
Duì. Gěi nín qián, qǐng shǔyìshu.
はい。こちらがお金です、数えていただけますか?
A:谢谢!
Xièxie!
ありがとう!
B:时间不早了,我们快走吧!
Shíjiān bùzǎo le, wǒmen kuài zǒu ba!
もう遅いから、早く帰りましょう!
换钱(huànqián/動詞):両替する
听说(tīngshuō/動詞):聞いたところ
日元(rìyuán/名詞):日本円
人民币(rénmínbì/名詞):人民元
这样(zhèyàng/代詞):このように、こんなに(=英語の「such」に相当)
数(shù/名詞):数、数量(=英語の「number」「quantity」に相当)
数(shǔ/動詞):数える
时间(shíjiān/名詞):時間
快(kuài/形容詞):(スピードが)速い、急速な、迅速な(=英語の「fast」「quick」に相当)
第14回でも解説したフレーズのバリエーションです。「ちょっとVする」という意味をつくりますが、これには3つのパターンがあります。
今回の会話にはその3つすべてが登場しています。
1)我们去问问(行って、ちょっと尋ねてみましょう)
→V+V
2)请您写一下(ちょっと書いていただけますでしょうか)
→V+一下
3)请数一数(ちょっと数えてみてください)
→V+一+V
どれも同じ意味です。どう使い分けるか?ということについては、厳密な基準はなく、韻律でしっくりくるものを選ぶという印象です。
こちらも第2回で少し解説をしました。「也」と「都」は、「○○も××も、すべてひっくるめて」という意味あいを文章に与えます。日本語の場合だとさほど重視しない要素ですが、中国語の発想としては、フレーズにこれが欠けると、意味は通じても不自然な印象になります。
今回の会話で登場したのは、
1)钱都花了,我没钱了。(お金をすべて使い切ってしまい、お金を持っていません)
2)饭店里也可以换钱。(ホテルでも両替できます)
1)の「都」は、「持っているお金は1円も残らず、すべて」というニュアンスをつくります。たとえば100円持っていたならば、99円ではなく、100円全部を使ったということ。所持金は0円である、ということなのです。100円のうち99円を使って1円だけ残っている場合も「我没钱了(お金がない)」と言うことはできると思いますが、「都花了」と言っている以上、本当に1円も持っていない、ということになります。
2)の「也」は、「他の場所でも両替は可能だが、ホテルでも可能」という意味をつくります。“銀行で両替ができる”という誰もが知っている事実のほかに、可能な手段はあると言っているわけです。
会話で「饭店里也可以换钱(ホテルの中でも両替できます)」というフレーズが登場しました。わざわざ「里(~の中で/inside of)」と断らずとも、ホテルの建物内で両替することはわかりきっているのですが、中国語ではこうした表現が好まれます。「里」はかなり頻出する単語です。
当然、「里」を省いても意味は通じます。「饭店也可以换钱」もそうですが、他に例を挙げると、
例)
我在家里看电视。(Wǒ zài jiāli kàn diànshì./わたしは家でテレビを見ます)
=我在家看电视。
办公室里不许吸烟。(Bàngōngshìli bùxǔ xīyān./オフィス内は禁煙です)
=办公室不许吸烟。
2つのセンテンスが1つの文章の中に出現するときに、1つ目のセンテンスの目的語が、2つ目のセンテンスの主語となるパターンです。「SはOがCするのをVする」―英語でも全く同じ文型があります。
例)
请您写一下名字。(Qǐng nín xiě yíxià míngzi./ちょっとお名前を書いていただけますか)
请=V、您=O、写=Cです。
「您」は「请(頼む)」ことの目的語でもあり、「写(書く)」ことの主語でもあります。
请他吃饭。(Qǐng tā chīfàn./彼に食事をおごります)
请=V、他=O、吃饭=Cです。
「他」は「请(ご馳走する)」ことの目的語でもあり、「吃饭(ごはんを食べる)」ことの主語でもあります。
文末につく「了」は、ある動作や状況、事柄がすでに発生したことを示すこともあります。
以下に、「了」のつくフレーズとつかないフレーズでの違いをご紹介します。
例1)
你去哪里?―我去商店。
(Nǐ qù nǎli?― Wǒ qù shāngdiàn./どこへ行くの? ―お店に行きます)
你去哪里了?―我去商店了。
(Nǐ qù nǎli le?―Wǒ qù shāngdiàn le./どこへ行ってきたの? ―お店に行ってました)
例2)
你买什么?―我买苹果。
(Nǐ mǎi shénme?―Wǒ mǎi píngguǒ./何を買うの? ―リンゴを買います)
你买什么了?―我买苹果了。
(Nǐ mǎi shénme le?―Wǒ mǎi píngguǒ le./何を買ったの? ―リンゴを買いました)
語気助詞の「了」は、第14回でもご紹介しました。
今回はその否定形・疑問形を学びましょう。
否定形→末尾の「了」をとり、動詞の前に「没(méi)」あるいは「没有(méiyǒu)」をつける
疑問形→末尾に「没」あるいは「没有」をつける
例1)
肯定形:他去商店了。(Tā qù shāngdiàn le./彼は店に行った)
否定形:他没有去商店。(Tā méiyǒu qù shāngdiàn./彼は店に行っていません)
疑問形:他去商店了没有?(Tā qù shāngdiàn le méiyǒu?/彼は店に行ったのですか?)
例2)
肯定形:你吃饭了。(Nǐ chīfàn le./あなたは食事を済ませました)
否定形:你没吃饭。(Nǐ méi chīfàn./あなたはまだ食事をしていません)
疑問形:你吃饭了没?(Nǐ chīfàn le méi?/もう食事を済ませましたか?)
A:钱都花了,我没钱了。我要去换钱。
Qián dōu huā le, wǒ méi qián le. Wǒ yào qù huànqián.
お金を全部使っちゃった。両替に行かないと。
B: 听说,饭店里也可以换钱。
Tīngshuō, fàndiànlǐ yě kěyǐ huànqián.
ホテルでも両替できるって聞いたけど。
A:我们去问问吧。
Wǒmen qù wènwen ba.
ちょっと聞きに行ってみましょう。
―ホテルの両替カウンターで―
A:请问,这里能不能换钱?
Qǐngwèn, zhèli néngbùnéng huànqián?
すみません、ここで両替できますか?
C:能。您带的钱是?
Néng. Nín dài de qián shì?
できますよ。お持ちの通貨は?
A:日元。
Rìyuán.
日本円です。
C:换多少?
Huàn duōshao?
いくら両替しますか?
A:一万。一万日元换多少人民币?
Yíwàn. Yíwàn rìyuán huàn duōshao rénmínbì?
1万円です。1万円で何元になるのかしら?
C:七百九十三块二。请您写一下钱数。再写一下名字。
Qībǎi jiǔshí sān kuài èr. Qǐng nín xiě yíxià qiánshù. Zài xiě yíxià míngzi.
793.2元です。金額とお名前を書いていただけますか?
A:这样写,对不对?
Zhèyàng xiě, duì búduì?
これで合ってますか?
C:对。给您钱,请数一数。
Duì. Gěi nín qián, qǐng shǔyìshu.
はい。こちらがお金です、数えていただけますか?
A:谢谢!
Xièxie!
ありがとう!
B:时间不早了,我们快走吧!
Shíjiān bùzǎo le, wǒmen kuài zǒu ba!
もう遅いから、早く帰りましょう!
■単語
花(huā/動詞):(時間やお金を)使う、費やす(=英語の「spend」に相当)换钱(huànqián/動詞):両替する
听说(tīngshuō/動詞):聞いたところ
日元(rìyuán/名詞):日本円
人民币(rénmínbì/名詞):人民元
这样(zhèyàng/代詞):このように、こんなに(=英語の「such」に相当)
数(shù/名詞):数、数量(=英語の「number」「quantity」に相当)
数(shǔ/動詞):数える
时间(shíjiān/名詞):時間
快(kuài/形容詞):(スピードが)速い、急速な、迅速な(=英語の「fast」「quick」に相当)
第14回でも解説したフレーズのバリエーションです。「ちょっとVする」という意味をつくりますが、これには3つのパターンがあります。
今回の会話にはその3つすべてが登場しています。
1)我们去问问(行って、ちょっと尋ねてみましょう)
→V+V
2)请您写一下(ちょっと書いていただけますでしょうか)
→V+一下
3)请数一数(ちょっと数えてみてください)
→V+一+V
どれも同じ意味です。どう使い分けるか?ということについては、厳密な基準はなく、韻律でしっくりくるものを選ぶという印象です。
こちらも第2回で少し解説をしました。「也」と「都」は、「○○も××も、すべてひっくるめて」という意味あいを文章に与えます。日本語の場合だとさほど重視しない要素ですが、中国語の発想としては、フレーズにこれが欠けると、意味は通じても不自然な印象になります。
今回の会話で登場したのは、
1)钱都花了,我没钱了。(お金をすべて使い切ってしまい、お金を持っていません)
2)饭店里也可以换钱。(ホテルでも両替できます)
1)の「都」は、「持っているお金は1円も残らず、すべて」というニュアンスをつくります。たとえば100円持っていたならば、99円ではなく、100円全部を使ったということ。所持金は0円である、ということなのです。100円のうち99円を使って1円だけ残っている場合も「我没钱了(お金がない)」と言うことはできると思いますが、「都花了」と言っている以上、本当に1円も持っていない、ということになります。
2)の「也」は、「他の場所でも両替は可能だが、ホテルでも可能」という意味をつくります。“銀行で両替ができる”という誰もが知っている事実のほかに、可能な手段はあると言っているわけです。
会話で「饭店里也可以换钱(ホテルの中でも両替できます)」というフレーズが登場しました。わざわざ「里(~の中で/inside of)」と断らずとも、ホテルの建物内で両替することはわかりきっているのですが、中国語ではこうした表現が好まれます。「里」はかなり頻出する単語です。
当然、「里」を省いても意味は通じます。「饭店也可以换钱」もそうですが、他に例を挙げると、
例)
我在家里看电视。(Wǒ zài jiāli kàn diànshì./わたしは家でテレビを見ます)
=我在家看电视。
办公室里不许吸烟。(Bàngōngshìli bùxǔ xīyān./オフィス内は禁煙です)
=办公室不许吸烟。
2つのセンテンスが1つの文章の中に出現するときに、1つ目のセンテンスの目的語が、2つ目のセンテンスの主語となるパターンです。「SはOがCするのをVする」―英語でも全く同じ文型があります。
例)
请您写一下名字。(Qǐng nín xiě yíxià míngzi./ちょっとお名前を書いていただけますか)
请=V、您=O、写=Cです。
「您」は「请(頼む)」ことの目的語でもあり、「写(書く)」ことの主語でもあります。
请他吃饭。(Qǐng tā chīfàn./彼に食事をおごります)
请=V、他=O、吃饭=Cです。
「他」は「请(ご馳走する)」ことの目的語でもあり、「吃饭(ごはんを食べる)」ことの主語でもあります。
文末につく「了」は、ある動作や状況、事柄がすでに発生したことを示すこともあります。
以下に、「了」のつくフレーズとつかないフレーズでの違いをご紹介します。
例1)
你去哪里?―我去商店。
(Nǐ qù nǎli?― Wǒ qù shāngdiàn./どこへ行くの? ―お店に行きます)
你去哪里了?―我去商店了。
(Nǐ qù nǎli le?―Wǒ qù shāngdiàn le./どこへ行ってきたの? ―お店に行ってました)
例2)
你买什么?―我买苹果。
(Nǐ mǎi shénme?―Wǒ mǎi píngguǒ./何を買うの? ―リンゴを買います)
你买什么了?―我买苹果了。
(Nǐ mǎi shénme le?―Wǒ mǎi píngguǒ le./何を買ったの? ―リンゴを買いました)
語気助詞の「了」は、第14回でもご紹介しました。
今回はその否定形・疑問形を学びましょう。
否定形→末尾の「了」をとり、動詞の前に「没(méi)」あるいは「没有(méiyǒu)」をつける
疑問形→末尾に「没」あるいは「没有」をつける
例1)
肯定形:他去商店了。(Tā qù shāngdiàn le./彼は店に行った)
否定形:他没有去商店。(Tā méiyǒu qù shāngdiàn./彼は店に行っていません)
疑問形:他去商店了没有?(Tā qù shāngdiàn le méiyǒu?/彼は店に行ったのですか?)
例2)
肯定形:你吃饭了。(Nǐ chīfàn le./あなたは食事を済ませました)
否定形:你没吃饭。(Nǐ méi chīfàn./あなたはまだ食事をしていません)
疑問形:你吃饭了没?(Nǐ chīfàn le méi?/もう食事を済ませましたか?)
●学習チェックテスト
【問1】次のピンインを漢字に直して日本語訳しましょう。(1) wǒ yào qù huàn qián.
(2) sān wàn rì yuán huàn duō shǎo rén mín bì.
(3) qián dōu huā le。 wǒ méi qián le.
【問2】次の文を正しい語順に並べ替えましょう。
(1) 饭店里换钱也可以的。
(2) 我看报纸在家里。
(3) 请您写名字一下。
【問3】()の中から正しいものを選びましょう。
(1) 我所有的钱(都,也,又)花了。
(2) 他去超市(到,了,呢)。
(3) (由于,怪不得,听说)他们快要结婚了。
●解答
【問1】(1) 我要去换钱。
(2) 三万日元换多少人民币?
(3) 钱都花了,我没钱了。
【問2】
(1) 饭店里也可以换钱。
(2) 我在家里看报纸。
(3) 请你写一下名字。
【問3】
(1) 都
(2) 了
(3) 听说
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- 第1回こんにちは
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- 第25回【お役立ち単語集】代表的な数量詞
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- 第48回帰国することになりました
- 第49回ほんとうに名残惜しいです
- 第50回荷物はここで預けますか?
- 第51回待っていました
- 第52回道中ご無事で!
愛玉■中国語翻訳者、ライター。
重慶大学漢語進修課程で中国語を学ぶ。その後、上海で日本人向けフリーペーパーの編集、美容業界誌の中国語版立ち上げなどに携わる。中国在住経験は4年。現在、中国ニュースの翻訳や中国関連の執筆などを行う。得意分野は中国グルメ、中華芸能。北京語言大学主催のC.TEST(実用中国語レベル認定試験)Aレベル取得。
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