グルメ大国・中国の人にとって、食事は非常に大切なものであり、しばしば友好関係を温める場として用いられます。相手への好意や親しみを表現する場ですから、実は「割り勘」というものが好まれません。それがたとえ友人同士であったとしても、食事へ誘った人(ホスト、主催者=中国語では「东道主(dōngdàozhǔ)」)が全員の分を支払いますし、互いをよく知った間柄ならば、「明らかに経済的に豊かな人物」が支払いを担当することも。また、デートでは男性がすべての支払いをするのが通例であり、それが男の見せどころでもあります。
つまり、中国で生活をしていると「ごちそうになる」という機会が非常に多いのです。割り勘が習慣化している日本人にとっては、「気が引ける」「申し訳ない」という気持ちになることもありますが、ごちそうになる時にはしっかりと感謝の気持ちを表現したうえで堂々と相手の好意を受けてよいですし、そのほうが喜ばれると思います。
では、誰かにごちそうになる時のスマートな切り返しを3つ、ご紹介します。
Yòu ràng nǐ pòfèi le, zhēnshì guòyìbúqù.
また出していただくなんて、ほんとうに申し訳ないです。
※「
让你破费了」はごちそうになった時の決まった言い方で、直訳すると「あなたに出費をさせてしまった」という意味です。「
过意不去」は「申し訳なく思う、恐縮に思う」という意味で、決まりが悪い、心苦しいといった感情のニュアンスを表現します。ですから、このあいさつ言葉は非常に改まった表現です。友人同士で使うには適さないかもしれませんが、常套句として知っておくべきでしょう。
Zhè cì ràng wǒ qǐng ba.
今回はわたしが出しますので。
※「
让我请=
让我请客」で、「わたしにごちそうさせる」という意味です。相手が支払いの気配を見せたら、とりあえず1回はこんな風に言ってみてもいいでしょう。このへんは日本的な感覚と近いと思います。しかし、「堂々とごちそうになる」ことは、中国では決して無礼なことではありません。
Wǒmen háishi lái AAzhì ba.
やっぱり割り勘にしましょう。
※ごちそうになることに気が進まないのならこう言ってみましょう。「
来AA制」というのは「
各自付账(gèzì fùzhàng /各自が払う)」という意味ですが、なぜ割り勘のシステムを「
AA制」と言うのかには諸説あります。最もわかりやすい説では「All Apart(みんな別々に)」の略語ということです。都市部の若者の間では割り勘の習慣も浸透しつつありますが、中国では、割り勘は「ケチくさい」と思われることがあります。