「漢字」という表意文字をはじめ、日本語は古くより中国語から多くの語彙を学びながら発展してきましたが、実は中国語も日本語からたくさんの語彙を取り入れているのをご存知でしたか?その多くは近代、日本が西洋から吸収したさまざまな概念に日本語の名称を名づけ、それを中国語がそのまま取り入れたもので、代表的なものには「経済」「科学」「健康」「文化」「常識」などがあります。さらに近年でも、中国語の表現ではカバーしきれないニュアンスを持つ日本語の単語が続々と中国でも定着しています。そんな「イマっぽい」語彙を2回に分けてご紹介します。
第1回目でご紹介する日本からの外来語は、「原語のニュアンスが強く、中国語で言い替えがきかないため」中国語となった語彙です。
「人气(rénqì)」は中国語にすると「受欢迎的程度(shòu huānyíng de chéngdù)」と置き換えられますが、1つの単語で言い替えられないので中国語に定着したと思われます。「量贩(liàngfàn)」という単語も同様、中国語にすると「大量销售商品(dàliàng xiāoshòu shāngpǐn)」と、少々ややこしくなります。「职场(zhíchǎng)」は「工作场所(gōngzuò chángsuǒ)」とも言えますが、すべての職種の職場を指すというよりも、特にオフィスワーカーの職場を指すイメージでしょうか。
正会員・準会員といった表現に使われる「准(zhǔn)」という単語は、「まもなく正式に○○になる」「正式な○○には至らないが、それに準ずる」といった意味で、中国語独自の用法が生まれました。「准妈妈(zhǔn māma=まもなく母親になる女性、妊婦さん)「准儿媳(zhǔn érxí=将来の嫁)」といった使い方があります。
「居酒屋(jūjiǔwū)」となると、これはますます中国語で代替できない単語になります。お酒をメインにしながら料理も食べることができる、しかし一般のレストランとはメニューも利用目的も異なる……こういった飲食の業態は、中国ではあまり見られませんので、まさに日本の居酒屋風情を表現するにはダイレクトに「居酒屋」と呼ぶしかないのです。
もはや漢字にすら変換できない単語もあります!日本好きの若者にはおなじみの「cosplay(コスプレ)」という単語です。これに相当する「角色扮演(juésè bànyǎn=役柄を演じる、の意)」という中国語の単語もつくられましたが、あまり定着していないようです。
それでは最後にこれらを用いた例文をご紹介します。
Jīnnián shǔjià qījiān rénqì zuì wàng de lǚyóushèngdì shì Xīzàng.
今年の夏休みシーズンに最も人気のある観光地はチベットだ。
※「人气」の程度を表現する形容詞が「旺」です。「
人气最旺」をもっと砕けた言い方にすれば、「
最有人气(zuì yǒu rénqì)」とも。「
旅游胜地」は「観光名所」といったニュアンス。「胜地」は風光明媚な場所を指します。
Bùshǎo dòngmàn mí rènwéi coplay zuì dà de lèqù shì zìjǐ qīnshǒu zhìzuò fúshì.
多くのアニメ・マンガファンにとって、コスプレの最大の楽しみは自分で衣装を制作することである。
※「
动漫迷」の「动漫」は「
动画(dònghuà=アニメ)」「
漫画(mànhuà=マンガ)」の総称です。「迷」は「夢中になる」という意味があり「ファン、愛好者」を指します。「
亲手」は「自らの手で」という意味です。ほかに「
亲眼(qīnyǎn=自らの目で…直接見る)」「
亲口(qīnkǒu=自らの口で…自ら語る)」「
亲笔(qīnbǐ=自らの筆で…手書きで)」といった表現があります。